一人で生きることを自覚せよ、
と言っても、そう簡単にできるものではない。
泣く雨の夕暮れも、
一人で膝をかかえて星を見上げる夜半もあるであろう。
孤独というものには、やるせなさがどこかに隠れている。
なのに一人で生きようとしている人には、
家族、兄弟姉妹、仲間、同僚、友と日々、逢ったり、連絡を取り合って、
普通に生きている人たちには、ないものがある。
あの潔さに似たものは何なのだろうか?
ひとりで生きることは、一見淋しいものに思えるが、
実は美しい人間の姿であるのかもしれない。――伊集院静
昨日の夜に読んだ本
Shinji Omiya.